天皇誕生日祝賀レセプションにおける伊藤大使のスピーチ(2017)

平成29年12月15日

(大使スピーチ)

  本日,在コスタリカ日本大使としての初めての天皇誕生日レセプションに,皆様を迎えることができ,大変嬉しく思っております。また,近く84歳のお誕生日を迎えられる天皇陛下が益々お元気であられることを心からお祝い申し上げます。

  私が本年4月に着任してから,早や7か月11日と16時間が過ぎました。日本とコスタリカ両国が相互に尊敬し合いながら,友好親善を皆さんとともに進めていきたい。それが,私の大使としての役割です。

  さて,日本とコスタリカ二国間の友好関係がこの1年間でいかに前進したかを詳細にお話しするのは別の機会にゆずり,本日は,一般に日本の人々がコスタリカにどのようなイメージをもっているか,その点だけ言及することにいたします。

  日本の小説家である村上春樹氏による「1Q84」という小説では,主人公の女性が,もし行き先が自由に選べるなら,コスタリカを選ぶだろうと述べ,コスタリカへの強い憧れを示しています。そして,海岸で泳いだり本を読んだりして過ごす静かな生活やカリブ海のビーチで恋人と二人で日光浴をする光景を,主人公が思い浮かべる様子がこの小説には描かれています。

  世界50以上の言語に翻訳され各国でベストセラーを記録してきた著名な小説家村上春樹のこの記述は,日本において,コスタリカのイメージ戦略がいかに成功しているかを物語る明らかな証拠です。「緑と平和を愛するこの国」のイメージは,我が国の一般国民に見事に定着しています。情報技術の発展に伴うグローバライゼーションの中で,コスタリカは「勝ち組」でしょう。

  日本としても,この国のイメージ戦略を大いに学び取る必要ありと痛感しています。いずれにせよ,本日は,日本のささやかなイメージ戦略である,日本食,日本酒,梅酒や日本ウィスキーを堪能いただきたく思います。

  また,この場をお借りして,今回企業支援ブースに御協力いただいた日本企業の方々に心より感謝を申し上げます。

  最後に,サッカー2018ロシアW杯にコスタリカと日本がともに参加することをお祝いしたいと思います。もし許されるのであれば,日本とコスタリカがともに決勝にすすむことを祈っております。ここにおられる大使の皆様も同じことを願っていらっしゃると思いますので,すべての国の成功をお祈りします。

  それでは,天皇陛下とコスタリカ共和国の大統領であられるソリス大統領のご健勝を祝い,乾杯しましょう。
 
  乾杯!ありがとうございました。