領事・治安情報
令和6年2月13日
コスタリカを快適に過ごすために
コスタリカの国名は、スペイン語で「富める海岸」を意味します。自然豊かで嫋やかな素敵な国です。しかしながら近年では、ホテルやレストランなどの施設が充実して便利になる一方で一般犯罪が急増するなど、往年との暮らしぶりは変化してきています。
この領事事務に関する項においては、在留邦人や旅行でいらっしゃる皆さまが、快適なコスタリカ・ライフを過ごせるように、各種情報を提供致します。なお一般的な手続き、その他の情報などについては外務省ホームページも併せてご覧下さい。
治安情報・防犯対策
犯罪発生状況
コスタリカは中南米地域の中では政治・治安ともに安定した国と見られてきました。しかしながら、1990年代以降、不法滞在者の増加、組織犯罪グループの流入、銃所持者の増加、武器の流入、麻薬のまん延、学校の中途退学者等による犯罪の低年齢化などにより、治安が悪化の一途をたどっています。近年では警察官増員、犯罪者収容施設や社会復帰施設の増設など、国として治安対策に力を入れていますが、依然として犯罪は発生しています。2022年の殺人件数は657人で、人口10万人に対し、12.6人の割合で発生しており、これは日本の0.3人に比べ極めて高い数字です。コスタリカは、南米の麻薬が北米へ運ばれる際の中継地点となっており、国内へ大量の麻薬が流入しているため、麻薬に関する犯罪(麻薬の購入代金欲しさに行う短絡的な強盗・殺人等)が問題となっています。特に近年、殺人については、麻薬組織同士の抗争や報復による事件が多く、一般市民が巻き添えになるケースも増加しています。また、最近では地方のリゾート地においても外国人相手に麻薬が売買されているので、売人と思われる者には近づかないようにしてください。
近年は、危険と言われている地域以外でも銃を使った犯罪が増加しています。例えば過去に例のないサンホセ市内での武装グループによる白昼の銀行強盗や大型ショッピング・モールでの強盗などが発生しています。強盗にはけん銃が使用され、短絡的に殺害したり、走行中の車両を停止させ、運転者を引きずり出して車両を奪う手口あるいは通行人を車に無理矢理乗せて金品を強奪するなどの手口があります。このような中、自己防衛のために銃を所持する市民が増えており、銃による死傷者が増加しています。
これまでに、コスタリカにおいて日本人・日本権益を直接標的としたテロ事件は確認されていません。テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。近年では、単独犯によるテロや一般市民が多く集まる公共交通機関等(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発するなど、テロの発生を予測し未然に防ぐことがますます困難となっています。このように、テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロの被害に遭わないよう、海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。
犯罪件数
司法警察が発表した犯罪統計によれば、2022年の犯罪発生状況を罪種別に見ると、殺人657件(前年比11.7%増)、強盗8,397件(23.5%増)、侵入盗(住宅)6,513件(14.9%増)、自動車盗4,344件(29.6%増)、スリ8,285件(28.8%増)です。犯罪危険地域
サンホセ市中心部の歩行者天国(特に中央郵便局前や文化広場周辺)や中央市場周辺、コカコーラ地区では、スリやひったくり、路上強盗などの被害が頻発しています。市内中心部以外の場所では、けん銃や刃物を使用した強盗をはじめ、信号や渋滞などで停車中の車の窓ガラスを割り、車中の荷物を奪う手口や、鋭利な刃物でタイヤをパンクさせ、タイヤ交換を手伝うふりをして物を盗む「タイヤパンク盗」による被害が発生しています。また、ハコやタマリンド、マヌエルアントニオ、モンテベルデなどの有名な観光地やカリブ海地域(トルトゥゲーロ、マンサニージャ、プエルトビエホなど)の宿泊施設でも強盗事件や置き引き・ひったくりなどが発生しています。日本人の被害例
- 路上でのけん銃や刃物を使用した強盗
- 宿泊施設での貴重品盗難
- 長距離バス車内、バスターミナル、海水浴場、レストランでの置き引き
- バスの車内や雑踏でのスリ
- 車両盗難や車上荒らし
- 自宅での強盗や空き巣
- 車両によるひき逃げ
被害に遭った際の措置ぶり
何らかの犯罪被害に遭った場合には、自らの身体の安全を最優先に行動すべきです。例えば、ひったくり等の被害に遭った場合でも、決して犯人を追いかけてはいけません。犯人が刃物や拳銃をもっている場合もあり大変危険です。また、不幸にして誘拐の被害者になった場合も、犯人の顔を見ない(顔を見られた犯人は人質を殺害することが多い)、犯人を刺激しない(挑発的な言動を慎む)、要求に従う(カードの暗証番号は素直に教える)等、自らの生命を第一優先に行動することが重要です。被害に遭った際は、警察に通報(911)するとともに、大使館に通報します。当地の警察(治安警察)には捜査権がないため、司法警察(OIJ)の捜査官の到着を待って事情聴取が行われることになります。軽微な犯罪の場合、警察官は何もしないか、警察署において簡単な調書を作成しますが、保険の要求のためには、事後あらためてOIJに被害届を出す必要があります。
一般的防犯対策
【 外出する際 】- 貴重品(航空券、現金、トラベラーズチェック及び貴金属類など)は、信頼のおける宿泊先のセーフティボックスなど、安全と思われる場所に保管する。旅券はコピーを携行する。貴重品をやむを得ず持ち歩く場合には、一度にすべての物を盗まれる被害を防ぐために分散して所持する。また外から抜き取られにくい場所に入れるようにし、衣類やバッグの外ポケットには入れない。バッグなどは体の前に抱くようにするなど常に見える位置に保持し、サイドポケットなどが開けっ放しにならないように留意する。
- 多額の現金は持ち歩かない。買い物を現金で支払う際は、他人から財布の中身が見られないように留意する。
- 手荷物からできるだけ手を離さない。特に空港やバスターミナルで手荷物から手を離す場合、絶対に目を離さない。
- 移動中のバスなどでは荷物から目を離さない、網棚に荷物を置きっぱなしにしない。居眠りをしない。貴重品は常に身につけておく。
- 携帯型音楽プレイヤーなどで音楽を聴きながら歩かない。
- 夜間は外出を避ける。やむを得ず外出する際は、事前に行き先までの安全な経路を確認するとともに複数で行動する。犯罪多発地区には足を踏み入れない。長距離バスターミナル周辺は犯罪が頻発している地域なので、夕刻から早朝にかけては近づかない。
- 宿泊場所は、値段によって周辺の治安環境及びホテル内の安全が大きく異なるので、多少料金が高くても安全なところを選定する。
- 犯罪に巻き込まれた場合は、通常、犯人側は銃や刃物等の武器を所持しているので、安全を第一に考えて、決して犯人に抵抗しない。
- レストランにおいては、可能な限り人の動きの分かる場所に座るようにし、荷物の置引きに注意する。椅子の背もたれにカバンや財布が入ったジャケットをかけない。
- スリが頻発する乗り合いバスの利用は避け、タクシーを利用する。ただし、利用は正規のタクシー(通常、車体の色は赤。タクシーランプを搭載している。)に限定し、白タクの利用は避ける。
【 空き巣 】
家に人がいないとわかるとそれが一時間程度であっても狙われます。通常、玄関、裏口、窓等を破壊して侵入し、電気製品や金目のものを盗みます。空き巣に狙われないための留意事項は次のとおりです。
- 家には必ず誰かいるようにすること
- 定期的な日時に家を空けないこと
- 家を空ける時は、半日以内が望ましい
- 旅行など長期不在にする時でも旅行計画などを警備員や周りの人に教えない
- 出入り口の鍵は二重三重にし、必ずドア・チェーンをつける
- 夜間外出するときは室内の灯をつけたまま外出する
- 窓には必ず鉄格子を設置する
- 塀の上に鉄条網を設置する
【 車を運転する際 】
車の盗難は恒常的に発生しているので、防犯装置(警報装置・ハンドルロック等)を設置することをお勧めします。車をサンホセ市の中心街路上に駐車すると盗難や車に傷をつけられる可能性があります。この際、物品等をトランクの中に入れておいても盗難に遭うケースが少なくないので、車内に物を残置しないか、やむを得ない場合は直接見えないように留意する必要があります。
- 車で外出の際は、裏道などを使用せず交通量の多い主要幹線道路を走行する。
- 車上荒らしの被害を防止するために、貴重品やバッグなどはもちろんのこと、物を車外から見える位置に置かない。
- 窓はすべて閉め、路上駐車は避ける。
- 貧民街に立ち入らない。
- ヒッチハイカー等見知らぬ者を車に乗せない。
- 雨季においては、水量が増えて道路上の穴が見えなくなるので注意する。
- 信号などで停車をしている際は、周囲を警戒し見知らぬ者が近づいてきても窓を開けない。
- ショッピング・モール等の駐車場においても車上荒らしが頻発しているので、駐車場内であっても、可能な限り照明があるところや人通りの多いところに駐車する。
【 誘 拐 】
身代金目当ての誘拐事件は少ないが存在します。幸い邦人の被害者は発生していません。また、公園・路上において子供の一人遊びは絶対に行わせてはいけません。遊ばせる場合は保護者または責任感のある家事補助者等を必ず付き添わせる等の処置が必要です。
コスタリカで困ったら…
大使館は、海外にお住まいや渡航されている方の生命と安全の確保と領事サービスに努めます。皆さまからのご要望に対し、大使館が「通常できること」と「制約があってできないこと」がありますが、お困りのことがございましたらお電話やメールで気軽にご相談下さい。また、大使館との連絡を確保するためにも「在留届」の提出をお願い致します。
大使館からのお知らせ
大使館では各種ご案内の他、毎月邦人の方々から寄せられた情報や当国の新聞情報を基に作成された治安情報等を提供しております。メールアドレスをお持ちの方に送信しております。以下をクリックしてご覧になることもできます。
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◎緊急事態(警察、救急車、消防、交通事故などすべて)TEL:911
◎盗難等 TEL:800-8000-645(司法警察)
【 外務省海外安全ホームページ 】
【 在コスタリカ日本国大使館連絡先 】
◎盗難等 TEL:800-8000-645(司法警察)
【 外務省海外安全ホームページ 】
- http://www.anzen.mofa.go.jp/(PC版)
- http://www.anzen.mofa.go.jp/sp/index.html(スマートフォン版)
- http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html(モバイル版)
【 在コスタリカ日本国大使館連絡先 】
- 住所:Sabana Norte, 300m oeste y 25m norte del I.C.E.,Torre la Sabana Piso 10. San Jose, Costa Rica.
- 電話:2232-1255 国外からは(国番号506)-2232-1255
- FAX:2231-3140 国外からは(国番号506)-2231-3140
- ホームページ:https://www.cr.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html