大使挨拶
令和5年12月19日
有吉大使挨拶

在コスタリカ日本国大使館ホームページをご覧のみなさま
令和6年(2024年)8月29日
前回の着任のご挨拶から、ずいぶんのご無沙汰となってしまい恐縮です。
昨年12月7日にコスタリカに着任して以来、早いもので8か月以上が経ってしまいました。今にして、この間のスケジュールなどを見返してみると、ずいぶんといろいろなことがあったような、それでもまだまだやれたことがあったような、なんだか不思議な思いを抱いているこの頃です。
その中でも、やはり一番大きな話題は、8月3~9日のブルネル第一副大統領の訪日でしょう。同副大統領には、アンドレ外務大臣、トバール貿易大臣、ボガンテス科学技術通信大臣の3閣僚が同行し、かなり「重量級」の代表団となりました。自分も、この訪日の間、当館の若い館員と二人で帰国し、接伴員として一行への対応にあたりました。同副大統領は、5日に広島の原爆資料館を視察され、翌6日には「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式」に出席され、広島市長及び広島県知事との面談も行われました。広島では、いろいろと感じられるところがあったことと推察しております。ちなみに、同式典への外国からの元首、副元首級の出席は、ブルネル副大統領が初めてとのことです。
広島から東京に戻られてからも、同副大統領は、JICA、国際協力銀行(JBIC)といった国際協力関係機関や複数の日本企業を訪問された他、投資イベントを実施したりと、盛りだくさんの日程をこなされました。林官房長官主催の午餐会では、途中からは通訳をはさまずに英語での直接のやりとりとなり、自由と民主主義という同じ価値観を持つ国の要人同士で、和気藹々とした雰囲気の中、大いに有益な意見交換ができました。アンドレ外務大臣と上川外務大臣の外相会談も、話が弾みました。トバール貿易大臣もボガンテス科学技術通信大臣も、日本政府の要人と意義のある意見交換ができたと言っておられました。
なお、コスタリカの大統領、副大統領級の訪日は、2011年のチンチージャ大統領の訪日以来となります。
さて、9日にブルネル副大統領ご一行を成田でお見送りした翌10日に、自分たちもコスタリカに戻りました。それにしても、やはり日本とコスタリカは遠いもので、それに加えて日本の夏のあの強烈な暑さ(プンタレーナスの比じゃありません)にあてられたのか、しばらくは消耗したままでした。
コスタリカに参りましてから、日本文化に関する活動が多いと感じております。7月5~7日には、ランケスター植物園で盆栽展が行われ、そこでお茶のデモンストレーション、浴衣の試着、書道など、さまざまな日本文化紹介を日本大使館が行ったのも、自分の記憶に新しいところです。最近では、柔道家の井上康生氏が運営しておられるJUDOsというNPOから、コスタリカ柔道連盟に柔道着が寄贈され、8月24日にその寄贈式に出席しました。それ以外にも、5月の日本語弁論大会、6~8月にかけてサンホセとプンタレーナスで行われた国際交流基金の海外巡回展など、様々な活動がありました。
ところで、今年は、JICAコスタリカ事務所創設50周年と、サンホセ日本人学校創設50周年です。いずれも、50年前の創設の際には、関係者の方々が非常なご苦労とご尽力をされたものと拝察しております。さらに、創設後の50年間を、中断することもなくそれぞれが発展を続けてきたことには、歴代の関係者の方々の不断のご努力があったものと思います。日本人学校は、自分の知る限りでも、中南米ではグアテマラやキトで閉校と(キトは補習授業校に)なっており、そのような状況下で、サンホセ日本人学校の存続と発展に貢献してこられたみなさま方の熱意とご努力に、改めて深甚なる敬意を表します。
さて、来年は、日本との国交樹立90周年の年となります。どのような90周年になりますか。有意義な、記憶に残る2025年になれば、と思う次第です。
