コスタリカの日本語教育

令和6年6月14日
 

   コスタリカの日本語教育は、1978年にコスタリカ大学(UCR)における日本語の選択第二外国語としての導入をもってスタートしました。また、日本文化センター(旧日本文化教室)でもこの頃から日本語講座を開講しました。1988年にはナショナル大学(UNA)の哲文学部に第二外国語として日本語講座が設置されました。最近では、UCR、UNA、UCR オクシデンテ校で社会人向け講座が開かれている他、2009年にCIDI(Centro Internacional de Idiomas、サンホセ)、2011年にNLA(New Language Academy、モラビア)、さらに2013年には、Casa Manga (サン・ペドロ)でも日本語講座が開設されました。その後様々な機関でも日本語講座が開かれ、パンデミックを機にオンライン講座も急増しました。

   コスタリカにおける日本語教育の特徴は、「異文化・異言語への興味」「日本への留学希望」等の理由により学習を始めた者がいる一方で、ポップカルチャー(特にアニメ)を中心とする日本文化への興味から、日本語を学び始める青少年が多い点があげられます。皆さんも仲間と一緒に日本語を楽しく学びましょう!

 

トピックス

日本語教育機関

   コスタリカでは、日本のアニメ・マンガは青少年を中心に非常に人気があります。また、日本の伝統文化、伝統芸術、伝統武道等への関心が高いこともあって、とても親日的な国といえます。

   このような背景もあって、「日本語を学んで日本の文化を深く知りたい。」「日本語を覚えてマンガの原作を読みたい。アニメソングを日本語で歌いたい。」といった要望も非常に多いことから、首都サンホセを中心に日本語教室や日本語講座等も開設されています。代表的な日本語教育機関は次のとおりです。

 

日本語教育機関一覧

日本語能力試験(JLPT)

  日本語能力試験は(JLPT)日本語を母国語としない人を対象に、日本語の能力を測定し、認定するための試験として、国際交流基金と現日本国際教育支援協会実施しています。
  受験資格に年齢制限はなく、筆記問題、聴解問題によって実施されます。日本の国立大学への国費留学生の選抜基準としても用いられ、世界中から多くの方が受験しています。
  コスタリカでは2015年から毎年実施していましたが、2020年、2021年は新型コロナウイルス・パンデミックのため開催を見送りました。2022年12月に2年振りに開催され、今回で第6回目を迎えました。2022年には、161名(応募者総数197名、当日欠席36名)が受験しました。

  なお、試験はN1からN5までの5段階で行われ、各レベルの目安は、次のとおりです(N1が最も難しい)。
 ・N1 幅広い場面で使われる日本語を理解することができる。
 ・N2 日常的な場面で使われる日本語の理解と、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる。
 ・N3 日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる。
 ・N4 基本的な日本語を理解することができる。
 ・N5 基本的な日本語をある程度理解することができる。

日本語弁論大会

   日本大使館は、コスタリカ日本語教師会との共催で、毎年、日本語弁論大会を開催しています。

   この日本語弁論大会は、コスタリカの日本語学習者(約800人のコスタリカの方が日本語を勉強しています。)を対象として、日頃の日本語学習の成果を発表する場を設け、日本語学習意欲の向上とコスタリカにおける日本語の普及を促進することを目的として実施しているものです。

   大会では,日本語学習時間別に,(1)「○○への手紙」(日本語学習時間100時間以下),(2)「弁論(短編)」(同100~200時間),(3)「弁論(長編)」(同200~500時間)のカテゴリに分けて実施しています。

   今年の日本語弁論大会は、5月26日(日)9時半より、ナショナル大学クロドミロ・ピカド講堂にて開催予定です。

 

国際交流基金・日本語成績優秀者研修

   日本語成績優秀者研修は、日本語学習者数の多い国・地域の日本語教育機関で日本語を学習し、優秀な成績を修めている学習者を2週間日本に招へいし、講義や研修旅行を通じて、日本語および日本文化・社会への理解を深める機会を提供するプログラムで、コスタリカからも毎年1名がこの研修を通じて訪日しています。

   この訪日研修では、(1)日本語クラス(ホームビジットガイド、関西弁講座等)、(2)研修旅行・交流プログラム(東京・京都・広島旅行、ホームビジット等)、(3)文化体験プログラム(書道、茶道、華道、着付け(浴衣)、和太鼓、合気柔術等)、短い研修期間で、日本語や日本文化・社会に対する理解を深めることができるよう、さまざまなプログラムが用意されています。

   このい研修プログラムについては、毎年4月頃日本大使館から募集しますので、貴方も是非この日本語成績優秀者研修プログラムで訪日して、素晴らしい思い出を創って下さい!