「国立こども病院医療機材整備計画」引渡式



11月7日、国立こども病院にて、令和2年度草の根・人間の安全保障無償資金協力「国立こども病院医療機材整備計画」の引渡式が行われ、小松親次郎大使と被供与団体である国立こども病院開発財団のカルロス・ヒメネス会長、オルガ・アルゲダス国立こども病院院長、ラファエル・グティエレス同心臓病科長、白方信行参事官らが出席しました。
本件は心臓カテーテルモニタリングシステム1台(167,569米ドル)の供与を通じて、コスタリカ国内の先天性心疾患等の小児患者に対する迅速な心臓カテーテル治療や診断を可能にし、救命を行うものです。同供与機材の活用は、心停止措置が必要な開胸手術に比べてはるかに負担の少ない形での治療が可能になることを意味します。
小松大使は、草の根・人間の安全保障無償資金協力において保健分野は常に最重要分野の一つであり、過去2年間においては新型コロナウイルスの影響を受け、医療や公衆衛生における支援に特に力を入れてきたとした上で、我が国とコスタリカの両国は民主的で社会保障を大事にする共通の価値観をもとに協力関係を長年構築してきており、本案件はそのような二国間の関係性を象徴し、より強化するものであると述べました。
またアルゲダス院長からは、同病院へ対する長年にわたる我が国支援の持つ意義、並びに今回の供与を通じ、国内の小児患者に対する心臓カテーテル治療が実施可能になることへの多大な感謝の念を抱いていると述べました。
同病院の副院長であり、またこの案件の被供与団体の会長でもあるヒメネス医師は、感謝の意に加えて、同供与機材はモニターを使った迅速で正確な診断、並びに患者の救命に必要不可欠な治療を可能にすること、また同治療の対象となる先天性心疾患を持つ小児患者たちは新型コロナウイルス等の感染症による重症化率も高いことから、同治療を早急に実施することにより、そのような病気による死亡のリスクも減少させることができる旨述べました。
現在、国立こども病院はコスタリカ国内で心臓カテーテル治療を実施可能な唯一の病院であり、今回の供与により年間300~350件ほどの同治療が可能となる見通しです。